好きな人には好きになってもらいたいじゃん。


拒否させんなよ。

いい性格してるわ。



「じゃあ、わたし帰るからゆっくり休んでね」


あっさり俺から離れる胡桃。

する気ねぇのかよ。


まじでいい性格してる。



「帰んなって」

「じゃあ……」

「そんなに俺とキスしたいわけ?」

「ちがっ……」

「違うってそれは普通にむかつく」


そこ否定すんなよ。

胡桃の言いたい意味はわかるけど。



「ゆっくり休む。俺が寝るまでいて。すぐに帰ろうとすんな」

「わたしいたら休めなくない?」

「休める。てかいないほうが無理」

「わかった。じゃあ寝転んで」


胡桃に肩を押される。

けど、胡桃の手を引っ張り一緒にベッドに倒れた。



「廉っ!?」

「熱下がったらおぼえとけよ」

「え?」

「胡桃からしてもらうから」

「そ、れは……」


やっぱり最初からする気なかったんだな。

俺が拒否するってわかってて言った。


俺を早く休ませるために言った。



ほんと、ずるいやつ。




「……恥ずかしい。けど、廉からならしていい、よ…?」



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