好きな人には好きになってもらいたいじゃん。


俺が話をしっかりと聞く態勢になったからか、照れてたはずの胡桃はハキハキとしゃべる。

目を輝かせて、少し背伸びなんかもして、俺に提案してきた。


余韻ねぇのかよ。


と思い、少しむっとしたから今日何度目かわからない唇を落とす。



「っ、廉」

「いいよ。デートしよう」


また真っ赤に戻った胡桃に満足。

笑顔を向ければ拗ねたように唇を尖らせたけど。



「どこ行きたいん?」


デートと言えばなにをするんだろうか。

いままで胡桃とはふたりでどっか行くってことはあんまりなかった。


基本的に樹も一緒で3人だった。

人が多いとことか好きじゃねぇけど、胡桃とふたりで行けるならどこでも行く。



「ベタなデートしたいな」

「例えば?」

「映画観に行って、そのあとにおしゃれなカフェで感想を伝えあって、公園をぶらぶら散歩するの」

「それがいいわけ」

「うん!」


テーマパークとか水族館とか、そういうのを想像していた。


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