好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
まぁ、胡桃がしたいことすればいいけど。
「廉は?」
「それでいいよ」
「意見ないの?」
「胡桃がしたいようにしろよ」
「投げやりじゃない?廉はなにがしたいの?」
「胡桃が楽しんでいる姿を見たいだけ。だから、胡桃がしたいことをして」
「……甘やかしすぎ」
「それが俺のしたいことだから」
いつでも胡桃ファースト。
俺だってやばい自覚はあるけど、仕方ないだろ。
胡桃がかわいすぎるのが悪い。
せっかく付き合えたんだ。
いままで素直になれなくてできなかった分、めちゃめちゃに甘やかしたい。
「でも、デートはふたりで楽しもうね」
「うん」
「廉も楽しまなくちゃだめだよ」
「うん」
「楽しみ」
「俺も」
同意すればめちゃくちゃかわいく笑うから、思わず心臓がドキッと音をたてた。
どんな胡桃もかわいい。
かわいすぎる。
デートの計画を楽し気にたてる胡桃を見るだけで、愛しさでいっぱいになった。