好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
◇幼なじみは溺愛彼氏



天気、晴れ。

風も心地よいくらいに吹いている。


今日は付き合って初めての廉とデート。

気合いは十分。


髪は下ろして毛先を巻いて、メイクもナチュラルめにしてみた。

廉のために花柄のワンピースなんか着ちゃったりして。


どうかな。

廉はなんて言ってくれるかな。


ドキドキしながら、最後にもう一度鏡で確認してから玄関のドアを開けて外に出た。



「よ、」

「お待たせ」

「早く来いよ」


モノトーンのセットアップがよく似合う廉がわたしを呼ぶ。

ねぇ……めちゃくちゃかっこいいんだけど。


廉ってこんなにかっこよかったっけ?

前髪をわけて少しだけ見えるおでこ、かわいい。


ゆっくりと廉に近づく。

一歩踏み出すごとにドキドキが加速する。



「行こっか」


ドキドキに気づかれないように、止まらず歩いた。

でも、廉はそんなわたしの手首を掴み、うしろに引っ張る。



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