好きな人には好きになってもらいたいじゃん。




放課後になり、帰る準備をする。

考えたところでいますぐいっくんがわたしのことを好きになってくれるなら、こんなに苦労はしていない。


……よし。



「くるたん、また明日ね」

「うん。またね。部活がんばって」

「ありがとう~!」


かほちんが教室を出て行くのを見送る。

そのあとすぐにわたしも立ち上がった。


リュックを背負って、教室を出る。

今日は家庭科部の活動はない。


だけどまだ帰らない。

騒がしい廊下を歩き図書室に行き、窓側の席に座る。



ここからはグランドがよく見える。

つまり、サッカー部の練習風景がよく見えるんだ。


いちおう今日出た課題を机に広げてはみたけど、サッカー部から目を離せない。


いっくんががんばっている姿が遠くからだけどわかる。

2年生でエースのいっくんは、すごく輝いている。



かっこいいなぁ……。




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