好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
廉になにか言われたけど、気にせずに廉の腕を引く。
廉とこうして腕を組んで歩くなんて不思議だね。
ちょっと慣れない。
でも、その感覚がまた楽しいね。
「オームライスっ!オームライスっ!」
「子どもかよ」
大好きなオムライスを頼んでご機嫌なわたしに、呆れたように笑う廉。
廉はわたしと付き合ってからよく笑うね?
運ばれてきたオムライスにテンションはいっきに上がった。
手を合わせてから食べ始める。
廉はスパゲティ。麺類好きだよね。
味の感想を言ったり、お互いのをわけあったりするランチは幼なじみのときと変わらない。
でも、やっぱりドキドキするんだ。
「映画おもしろかったね」
「…………」
「すっごいきゅんきゅんした」
「……胡桃は、あんなんがいいわけ?」
「あんなんってどんなん?」
「俺が守る、とかそんなん。歯の浮くようなセリフを言えちゃうような」
「かっこよかったよね」