好きな人には好きになってもらいたいじゃん。


思い出すだけであの胸きゅんが蘇ってきてドキドキする。

映画の世界っていいよね。


本当にきゅんとして、心臓バクバクできた。

好きの可能性は無限大って思ったよ。



「……できっかな」

「え?」

「胡桃には一生俺しかありえない」

「へっ!?」

「いや、無理だな。言えねぇわ」

「な、なにが!?」

「歯の浮くようなセリフ」

「言ってるから!」



びっっくりした……。

廉ってけっこう言ってると思うよ。


さっき観た映画くらい、付き合ってから言ってくれてるよ。

驚かされてばかりだもん。


自覚ナシなの……?

それは心臓に悪すぎる。



「言ってねぇだろ」


天然だ……。

天然っていちばんずるいじゃん。


その気ないのに、相手を混乱させちゃったりして。

廉の一言一言にわたしは上がったり下がったりするんだよ。



「なに?」

「べつに~」


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