好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
歯の浮くようなセリフを言えちゃう廉も、かっこつけちゃう廉も、変なことで悩む廉も、口が悪い廉も、優しい廉も。
どの廉も廉で、廉だからきゅんとするよ。
「公園行こうよ」
廉の腕を軽く引っ張れば、いやそうな態度をとりつつも笑ってついて来てくれる。
そのいやそうな態度も形だけでしょ。
照れてるからでしょ。
廉のことはもうわかるんだよ。
周りに木が植えてある大きめの公園に入ると空気が気持ちいい。
遊具もあるし広い芝生もある。
大人から子どもまで幅広く利用者が多い公園。
でも、敷地面積が広いからゆったりと落ち着いた雰囲気を感じられる。
「昔ここでかくれんぼしたよね」
小学生のとき、学校帰りにみんなで遊んだ。
その記憶はよく残っている。
「ほかの子にはぜったい見つけられなかったのに、廉にはすぐに見つけられちゃったんだよね」
かくれんぼは得意だと思っていた。
実際、いつも最後に「ここだよ」って自分から出てみんなを驚かせるのが好きだった。