好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
そんなわたしに視線を合わせるようにしゃがみこんだ。
至近距離で目が合う。
「早くない?」
「すぐ見つけられる」
「見てた?」
「見てなくてもわかるから見る必要ねぇよ」
「どうして……」
「胡桃のことならわかる」
わたしに手を伸ばして、サイドの髪を耳にかけた。
髪をよけてあらわになった頬を優しく撫でる。
「見つけてほしいからかくれんぼしたんだろ?」
「違うよ」
「だって俺、見つけちゃうよ。胡桃ならどこにいても見つけられる」
「悔しい……」
「諦めろ。ぜってぇ見つけるから」
ふっと笑った廉に、今日いちばん大きく心臓が音を立てた。
廉はぜったいにわたしを見つけてくれる。
わたしのことをわかってる。
「なんでわかるの?」
「愛の力」
「え、廉からそんなセリフ出るのは引く」
「笑えよ」
頬を撫でていた手がわたしの頬を潰した。
むっと唇が出てヒヨコみたいになる。