好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
「廉」
「なに」
「ドキドキ、してる?」
「してる」
即答。
それが余裕たっぷりに見えるけど、頬がほんのり赤く染まってる。
わたしばかりドキドキさせられてるわけじゃない。
廉もドキドキしてくれてる。
そうわかると、うれしさから笑みがこぼれる。
「わたしも」
好きな人に好きになってもらえるって本当に幸せだ。
好きな人に好きって言ってもらえたら、ドキドキ止まんないよ。
同じ気持ちってすごいね。
両想いってすごいね。
「廉、好きだよ」
好きがたくさんあふれてるよ。
廉がいてくれてよかった。
廉がいるだけで、こんなにも幸せな気持ちになれる。
昔からずっといちばんそばにいてくれた。
そんな廉といるのは当たり前だと思っていた。
これからも当たり前にしていきたい。
「ぜってぇ俺のほうが好き」
「わたしだって、世界中のだれよりも廉が好き」
「胡桃しか見たことないし、胡桃しか好きになったことないからほかとは比べらんねぇ」
「それは、ずるい……」