好きな人には好きになってもらいたいじゃん。



「廉」

「なに」

「ドキドキ、してる?」

「してる」



即答。
それが余裕たっぷりに見えるけど、頬がほんのり赤く染まってる。

わたしばかりドキドキさせられてるわけじゃない。


廉もドキドキしてくれてる。

そうわかると、うれしさから笑みがこぼれる。


「わたしも」



好きな人に好きになってもらえるって本当に幸せだ。

好きな人に好きって言ってもらえたら、ドキドキ止まんないよ。


同じ気持ちってすごいね。

両想いってすごいね。



「廉、好きだよ」



好きがたくさんあふれてるよ。

廉がいてくれてよかった。


廉がいるだけで、こんなにも幸せな気持ちになれる。

昔からずっといちばんそばにいてくれた。


そんな廉といるのは当たり前だと思っていた。

これからも当たり前にしていきたい。



「ぜってぇ俺のほうが好き」

「わたしだって、世界中のだれよりも廉が好き」

「胡桃しか見たことないし、胡桃しか好きになったことないからほかとは比べらんねぇ」

「それは、ずるい……」




< 339 / 347 >

この作品をシェア

pagetop