好きな人には好きになってもらいたいじゃん。

「俺がいないとだめになって」

「もう、だめかも」

「すげぇ好きじゃん、俺のこと」

「でも、もっと。でしょ」

「うん」



廉の熱っぽい視線に見つめられて、また鼓動が速くなる。

もう目を逸らせない。


廉だけ。

廉しか見えない。



「……やっぱり、いまのままで」

「なんで」

「もっと好きになったら、おかしくなっちゃう」

「なれよ」

「…っ、」

「覚悟しといて」



そう言って甘い笑顔を浮かべる廉には一生勝てないんだろうなって思った。

だから、わたしはわたしで、これからも好きでいてもらえるようにがんばるね。




だって、

好きな人にはずっと、好きでいてもらいたいじゃん。