好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
すごくうれしいことだけど、くるちゃんの行動が廉みたいで。
くるちゃんは廉に影響されて変わっている。
くるちゃんの根本的な思想が廉とすごく似てきている。
そんなの、僕は廉には勝てるわけがない。
そう感じて僕は自分の気持ちから目を逸らした。
くるちゃんの気持ちに気づかないふりをして、きっとたくさん傷つけた。
それでも、いつかくるちゃんは廉のことを好きになるって思ったんだ。
僕は自分が傷つきたくないから逃げた。
ほんと、情けないやつ。
こんな情けない姿を知られたくないから常に優しく、くるちゃんの好きな僕でいるようにした。
廉に譲ったわけではない。
ただ、逃げた。
逃げ回った僕が初恋を叶えられるわけがない。
文化祭あとくらいからくるちゃんが僕より廉を意識していることに気づいた。
僕のときとはまったく違う反応。
あぁ、やっぱり廉はすごいな。敵わないな。
逃げずにまっすぐにぶつかって向き合い続けて、叶えちゃうんだもん。