好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
そこで予鈴が鳴ったから、自分の席に戻る。
廉から視線を感じた気がしたけど気づいていないふりをした。
ホームルームで担任から放課後に文化委員の集まりがあることを伝えられる。
楽しみだなぁ。
頭の中は放課後の委員会のことでいっぱい。
授業中も考えるのはいっくんのことばかり。
いっくんのことを頭の真ん中に置きながら授業を受け、やっと放課後。
長かった……。
6限が終わって、すぐに荷物をまとめ、コンパクトミラーで前髪をチェック。
「胡桃、行くぞ」
「あ、うん」
廉の声に立ち上がりコンパクトミラーをしまう。
大丈夫。
前髪も崩れてない。
いっくんに会う準備はばっちりだ。
廉と並んで、文化委員が行われる視聴覚室に行く。