好きな人には好きになってもらいたいじゃん。




けど、見た瞬間いっきにテンションが下がる。

……なんで。



「これで、全員そろったな。樹はそこの席」

「はい」



返事をしていっくんともうひとりの委員……姫野先輩は指定された席に座る。


最悪だ。

いっくんと同じ委員会で喜んでたのに、いっくんは姫野先輩と一緒に委員に入っていたんだ。



なんで委員も一緒なの。

そんなにふたりは仲良いの?



いっくんを見つめているとわたしの視線に気づき、ニコッと微笑んで小さく手を振る。


モヤモヤしているけど、無視するわけにはいかないからわたしも微笑んで小さく手を振り返した。




「おい樹。遅れてきたのにヘラヘラと」

「あ、キャプテン。すみません」



いっくんがハッとして、委員長を見る。

キャプテンってことは、委員長はサッカー部のキャプテンなんだ。


だからいっくんに親しげなんだね。



わたしのせいで、いっくんが軽く怒られてしまった。






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