好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
申し訳なく思って、両手を合わせていっくんにごめんね、と謝る。
そんなわたしにいっくんは、また微笑んで手を振ってくれた。
今度は怒られないようにそれを見てから、すぐに前を向いた。
そして、委員長と副委員長から文化祭についての説明を受ける。
思っていた以上に高校の文化祭は大きい。
クラスでの出し物はもちろん、部活での出し物もあって、生徒会と文化委員が主催するイベントもあるみたいだ。
文化委員はクラスでの出し物をまとめて統率すること、文化祭の見回り、イベントの準備などが主な仕事。
……大変そうだ。
説明を聞いたいちばん最初の感想はそれだった。
これは気合いを入れなきゃいけないな。
それに、文化委員全体での仕事があればあるほど、いっくんと同じ時間を共有できる。
それは楽しみだ。
そのために、文化委員に立候補したんだもん。
がんばるぞ……!