好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
「今日は説明と顔合わせだけなんで、これで終わりです。つぎは1週間後。それまでにクラスでの出し物を決めて、オレまで持ってきてください」
委員長のその言葉で委員会は終了した。
ざわざわしだす教室。
出し物かぁ……。
「胡桃はなにしたいん?」
「え?」
いきなり隣の席に座る廉が話しかけてくる。
ぼーっと考えていたからその声によって現実に引き戻された。
「クラスの出し物」
「えー、なんだろ?カフェとかは憧れあるかな」
「まじか。胡桃の食ったら腹痛者続出で文化祭中止になっちまうだろ」
「はぁ?」
「まぁ、胡桃の魔の料理も俺にはきかねぇけど」
真顔でそんなことを言う廉。
ほんと廉はわたしを怒らせる天才だ。
むっとして廉を睨む。
「廉はなにしたいの?」
「楽なやつ」
「たとえば?」
「休憩所」
「これだから廉はだめだね」
「は?いい案だろ」
「センスなさすぎ。そんなのクラスでする必要ない」