好きな人には好きになってもらいたいじゃん。




「今日は説明と顔合わせだけなんで、これで終わりです。つぎは1週間後。それまでにクラスでの出し物を決めて、オレまで持ってきてください」



委員長のその言葉で委員会は終了した。

ざわざわしだす教室。


出し物かぁ……。



「胡桃はなにしたいん?」

「え?」



いきなり隣の席に座る廉が話しかけてくる。

ぼーっと考えていたからその声によって現実に引き戻された。



「クラスの出し物」

「えー、なんだろ?カフェとかは憧れあるかな」

「まじか。胡桃の食ったら腹痛者続出で文化祭中止になっちまうだろ」

「はぁ?」

「まぁ、胡桃の魔の料理も俺にはきかねぇけど」



真顔でそんなことを言う廉。

ほんと廉はわたしを怒らせる天才だ。


むっとして廉を睨む。




「廉はなにしたいの?」

「楽なやつ」

「たとえば?」

「休憩所」

「これだから廉はだめだね」

「は?いい案だろ」

「センスなさすぎ。そんなのクラスでする必要ない」




< 63 / 347 >

この作品をシェア

pagetop