好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
「だめ」
「樹は入れたのに?」
「玄関から来たし」
「じゃあ俺も玄関から行けば入れてくれるん?」
「それは……」
「やっぱ行く」
「わかった!わかったから!また今度ね。玄関から来て」
わたしの言葉に窓枠にかけた足をとりあえずは下ろしてくれた。
なにがしたかったのか。
そんなにわたしの部屋に来たいわけ?
べつに、廉の好きなものとか置いてないけど。
「約束だかんな」
「はいはい」
「あとさ、」
まだなんかあるの?
窓を閉めようとしたけど、廉の言葉に止める。
「俺はそっちのが好み」
「え?」
「ストレート」
「はいっ?」
それだけ言うと、先に廉が窓とカーテンを閉めた。
なんだったんだ?
結局、なにがしたかったんだろう。
廉が意味わかんないのはいつものことだから、気にしないでおく。
それよりもいっくん。
一生懸命でよく笑う子、かぁ……。
難しいけど、とにかくがんばるしかないよね!