好きな人には好きになってもらいたいじゃん。



「だめ」

「樹は入れたのに?」

「玄関から来たし」

「じゃあ俺も玄関から行けば入れてくれるん?」

「それは……」

「やっぱ行く」

「わかった!わかったから!また今度ね。玄関から来て」



わたしの言葉に窓枠にかけた足をとりあえずは下ろしてくれた。

なにがしたかったのか。


そんなにわたしの部屋に来たいわけ?


べつに、廉の好きなものとか置いてないけど。




「約束だかんな」

「はいはい」

「あとさ、」



まだなんかあるの?


窓を閉めようとしたけど、廉の言葉に止める。





「俺はそっちのが好み」

「え?」

「ストレート」

「はいっ?」



それだけ言うと、先に廉が窓とカーテンを閉めた。


なんだったんだ?


結局、なにがしたかったんだろう。

廉が意味わかんないのはいつものことだから、気にしないでおく。



それよりもいっくん。


一生懸命でよく笑う子、かぁ……。


難しいけど、とにかくがんばるしかないよね!





< 77 / 347 >

この作品をシェア

pagetop