好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
「かほちんおはよう」
「どした?眉毛寄ってるよ」
「廉がうっとうしい……」
「また痴話げんか?いいじゃん。あんなイケメンいるだけで正義」
「小さいころからずっと見てきたから、別にどうでもいい」
「なんて贅沢な……!」
見慣れちゃえば普通だよ。
顔はよくても、性格は最悪だし。
「イケメンは見ても飽きないよ。ずっと見てられる」
「じゃあ付き合えば?廉、彼女いないよ」
「無理無理!それに彼女いないのだってさ……」
「あ、いやだよね。あんな性格じゃ」
「……まぁいいや。折原が悪い」
「え?」
「なんでもない」
ニコッと笑うと、かほちんが最近注目しているインフルエンサーの話をはじめた。
動画を見て笑っていると、担任が入ってきてかほちんは自分の席に戻る。
今日は1限使ってロングホームルーム。
委員決めだ。
学級委員、体育委員、保健委員などどんどん決まっていく。
もちろんわたしがしたい委員は決まっている。