好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
水筒でお茶を飲んでいると、廉が呼びに来る。
廉もさっきまでダンスの練習をしていたはずなのに、涼しい顔をしている。
まぁ、部活してるから体力はあるか。
「うん」
返事をして、リュックを背負う。
廉と並んで歩きながら、文化委員ため視聴覚室に行く。
「体ふにゃふにゃしてたな」
「え?」
「体幹なさすぎ。もともとダンス下手なのが余計に下手に見える」
「見てたの!?」
「見えただけ」
「でも、練習場所違ったじゃん。わざわざ見に来たの?」
「…………」
「そうまでして、わたしのことばかにしたいわけ?ぜったい、すげぇー!って言わせるから」
「…………はぁ、」