好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
……くるしいなぁ。
いっくんは、わたしのことを恋愛的な意味で好きになってくれない。
本当は何度もくじけそうになってるけど、それでも好きだから好きになってもらいたい。
「胡桃ちゃんと折原くんの弟くんもよく一緒にいるよね」
「幼なじみで同い年だからね」
「幼なじみっていいね。私にはいないから」
……幼なじみなんていいことない。
妹って思われるくらいなら、幼なじみなんてなんの意味もない。
昔から一緒にいて、いちばん近くでどんなことも知っている。
そう思っていたけど、本当はそんなことないんだもん。
幼なじみだからって恋愛対象に見てもらえないくらいなら、幼なじみじゃないほうがよかった。
恋する相手として、ひとりの女の子として、意識してほしいんだよ。
だんだんと泣きたい気持ちになってくる。
いっくんの前ではずっと笑顔でいたいのに……。