好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
「つぎ、文化委員は……」
食い気味で挙手をする。
いっくんと学校で少しでも絡むためには、文化委員は最適だ。
ぜったいに文化委員になりたい……!
「お、ちょうどふたり。じゃあ、文化委員は折原と月島で決定」
………は?
担任の言葉に、勢いよく振り返る。
いちばん後ろの席にいる廉がだるそうに手を上げていた。
そして、わたしの視線に気づくとニヤッと笑って、上げていた手でピースする。
………最悪。
嫌がらせだ。
わたしが文化委員に立候補するって知ってたはずだもん。
廉は本当に邪魔ばっかりする。
ふいっと廉から顔を逸らして前を向く。
まぁいい。
目的であるいっくんと同じ委員に入ることはできたんだから。
それから順調に各委員は決まっていき、1限は終わった。
「よろしくな、胡桃」
終わると同時にわたしの席まで来た廉を見上げてキッと睨む。
そんなわたしとは対照的に、見下しながら口角を上げる廉はよりわたしをむっとさせる。