好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
わたしひとりで熱くなって、恥ずかしくなる。
「芯もまっすぐで強い胡桃ちゃんだから、かわいいんだね。心から綺麗なんだなって思ったよ」
能天気だな。
わたしはそんな綺麗な心なんて持っていない。
熱くなったのだって、心が綺麗だからではなくて、人の外見を否定する人が嫌いなだけ。
ただ、それだけだもん。
自分でどうにもできない部分を言うのは、強い言葉で思うけど最低だ。
「胡桃ちゃんの言葉に、気持ちに救われたよ。話してよかった」
結局なにを言いたいんだろう。
聞いてほしかっただけ?
「こうして救われたのは二度目なんだ」
「はい?」
「一度目は折原くん。私が身長を気にしてること知らないと思うけど、なんでもないように、まったく気にしなかったの」
いっくんはその人自体を見てくれる。
身長も外見もその人を形作るものであるだけで、だからどうってことはない。