好きな人には好きになってもらいたいじゃん。
泣きそう。
もう感情がぐちゃぐちゃだ。
冷たいお茶をいっきに3分の1くらいまで飲む。
熱くなった体を内側から冷やしてくれて、少し落ち着く。
頭も冷えた。
「ふぅ……」
「俺にもちょうだい」
後ろから聞こえてきた声にびっくりして振り返ると、わたしの手の中のペットボトルが抜き取られた。
そのまま許可する暇もなく、キャップを開けてゴクゴクと遠慮なく飲む。
「飲みすぎ」
眉間に力を入れて、廉を見る。
ほんと、いきなり現れて相変わらずだな。
クールな表情をしている廉に、思わずため息がもれる。
「あいつとなんかあった?」
「あいつ?」
「あの女だよ」
「どの女だよ。姫野先輩のこと?」
「わかってんなら聞くなよ」
「わたしの理解力に感謝して」
廉って抽象的に話しすぎなんだよ。
ちゃんと言葉にしない。