男嫌いな侍女は女装獣人に溺愛されている
「……ピケ」
「なぁに」
「聞きたいことがあるのでしょう? 僕に」
「聞きたいことっていうか……私ってあなたのことをなにも知らないんだなぁって思っていたの。魔の森であなたを拾ってからずっと一緒にいたから、なんとなくわかることは多いけれど、好きなものとか趣味とか、そういうの知らないなって」
「好きなものに、趣味、ですか?」
「そうよ。だって考えてみたら私、ノージーはネズミが好きじゃないってことくらいしか知らなかったんだもの」
「少ないですね」
「少ないのよ。だから私、びっくりしちゃって」
「僕もショックです」
顔を俯けて肩を震わせるノージーに、ピケは慌てた。
まさか、泣かせてしまった⁉︎
オロオロと助けを求めるように視線を彷徨わせても、周囲には誰もいない。
なんとか泣きやんでもらおうと、ピケは思いつくままに言葉を並べた。
「なぁに」
「聞きたいことがあるのでしょう? 僕に」
「聞きたいことっていうか……私ってあなたのことをなにも知らないんだなぁって思っていたの。魔の森であなたを拾ってからずっと一緒にいたから、なんとなくわかることは多いけれど、好きなものとか趣味とか、そういうの知らないなって」
「好きなものに、趣味、ですか?」
「そうよ。だって考えてみたら私、ノージーはネズミが好きじゃないってことくらいしか知らなかったんだもの」
「少ないですね」
「少ないのよ。だから私、びっくりしちゃって」
「僕もショックです」
顔を俯けて肩を震わせるノージーに、ピケは慌てた。
まさか、泣かせてしまった⁉︎
オロオロと助けを求めるように視線を彷徨わせても、周囲には誰もいない。
なんとか泣きやんでもらおうと、ピケは思いつくままに言葉を並べた。