男嫌いな侍女は女装獣人に溺愛されている
2
ふわん、ふわん、と何かが肌に触れては離れてを繰り返している。
くすぐったくて、ピケは目を閉じたまま、ほにゃりとしまりなく笑った。
「んふふ……くすぐったいよ、ノージー」
昨日は、ノージーに導かれるまま魔の森の近くまでやって来た。
打ち捨てられた小屋に身を寄せた一人と一匹は、そのまま眠ってしまったらしい。
ノージーの長い尻尾がピケの首筋を撫でている。
こしょこしょとくすぐるようなしぐさはいつものことで、ピケはそれを優しくどかして起き上がろうとした。
「……ん?」
目を閉じたままのピケの眉間に、シワが寄る。
感触を確かめるように、彼女は手の内の尻尾を何度か握った。
おかしい。ノージーの尻尾はこんなに太かっただろうか。
彼は猫にしては大型だが、それにしたってこんなに太いはずがない。
ツツツツ、と尻尾の長さを測るようにピケの手が尻尾を伝う。
ピケの腕ほどもある尻尾なんて、そんなわけあるはずがない。もしかしてまだ寝ぼけているのだろうか──と目を擦りながら身を起こした彼女は、次の瞬間心臓が止まりそうになった。
くすぐったくて、ピケは目を閉じたまま、ほにゃりとしまりなく笑った。
「んふふ……くすぐったいよ、ノージー」
昨日は、ノージーに導かれるまま魔の森の近くまでやって来た。
打ち捨てられた小屋に身を寄せた一人と一匹は、そのまま眠ってしまったらしい。
ノージーの長い尻尾がピケの首筋を撫でている。
こしょこしょとくすぐるようなしぐさはいつものことで、ピケはそれを優しくどかして起き上がろうとした。
「……ん?」
目を閉じたままのピケの眉間に、シワが寄る。
感触を確かめるように、彼女は手の内の尻尾を何度か握った。
おかしい。ノージーの尻尾はこんなに太かっただろうか。
彼は猫にしては大型だが、それにしたってこんなに太いはずがない。
ツツツツ、と尻尾の長さを測るようにピケの手が尻尾を伝う。
ピケの腕ほどもある尻尾なんて、そんなわけあるはずがない。もしかしてまだ寝ぼけているのだろうか──と目を擦りながら身を起こした彼女は、次の瞬間心臓が止まりそうになった。