男嫌いな侍女は女装獣人に溺愛されている
7
窓の外では、とうとう初雪が降り出していた。
数日前から降り出していたら、もっと違う展開になっていたのだろうか。
チラチラと舞う雪を視界の端に留めながら、ピケは思った。
あれほど待ち焦がれていた雪が降っているというのに、イネスの表情は暗い。
もしかしたら彼女は、初雪にも気づいていないのかもしれない。
だって、彼女にとっては招かれざる客でしかないガルニールが、目の前で茶を飲んでいるのだから。
より近くで見ても、ガルニール卿は神経質そうな男だった。
落ち着きなく周囲を見ている様子は、まるで巣穴から出ている時の野ねずみのよう。ちょっとでも突いたらキーキー怒りそうだ。
黒い革の手袋をした両手をずっと組んでいるのは、もしかしたら助けを乞うて神に祈りを捧げているのかもしれない。熱心なことだ。
狩猟本能が刺激されそうだと思ったピケがこっそりノージーを見てみると、彼のスカートの後ろがわずかに盛り上がっていた。スカートの中では、興奮に尻尾が反応しているに違いない。
盛り上がっていたのが前だったら大問題である。ノージーが変態扱いされなくて良かった、とピケはこっそり安堵した。
数日前から降り出していたら、もっと違う展開になっていたのだろうか。
チラチラと舞う雪を視界の端に留めながら、ピケは思った。
あれほど待ち焦がれていた雪が降っているというのに、イネスの表情は暗い。
もしかしたら彼女は、初雪にも気づいていないのかもしれない。
だって、彼女にとっては招かれざる客でしかないガルニールが、目の前で茶を飲んでいるのだから。
より近くで見ても、ガルニール卿は神経質そうな男だった。
落ち着きなく周囲を見ている様子は、まるで巣穴から出ている時の野ねずみのよう。ちょっとでも突いたらキーキー怒りそうだ。
黒い革の手袋をした両手をずっと組んでいるのは、もしかしたら助けを乞うて神に祈りを捧げているのかもしれない。熱心なことだ。
狩猟本能が刺激されそうだと思ったピケがこっそりノージーを見てみると、彼のスカートの後ろがわずかに盛り上がっていた。スカートの中では、興奮に尻尾が反応しているに違いない。
盛り上がっていたのが前だったら大問題である。ノージーが変態扱いされなくて良かった、とピケはこっそり安堵した。