男嫌いな侍女は女装獣人に溺愛されている
3
扉の前にはメイド。
窓の前にはガルニール卿。
逃げ道は、どこにもない。
(こういうの、八方塞がりって言うんだっけ? 八方もないけど)
うまいこと考えたなぁ、なんて現実逃避にしょうもないことを考えていたピケは、ガルニールの咳払いにビクンと体を竦ませた。
「白い肌に、緑色の目。それに茶褐色の髪。それでどうして、アルチュールの者だと思わせることができるのか。私にはさっぱり、理解ができない」
苛立っているのか、ガルニールは人差し指で机を叩き続けている。
一定のリズムで発せられるコツコツという音は、見た目通りに神経質そうな彼らしい。
緊張で嫌な音を立てている胸が同調しそうだ。かすかな音でさえガルニールの不興を買いそうで、ピケは本能的に息を潜めた。
「そう思わないか? ピケ・ネッケローブ」
ガルニールが使っている客室で、ピケは椅子へ座らされている。
向かいでは、立派な机に頬づえをついたガルニールが、品定めするようにピケを見ていた。
窓の前にはガルニール卿。
逃げ道は、どこにもない。
(こういうの、八方塞がりって言うんだっけ? 八方もないけど)
うまいこと考えたなぁ、なんて現実逃避にしょうもないことを考えていたピケは、ガルニールの咳払いにビクンと体を竦ませた。
「白い肌に、緑色の目。それに茶褐色の髪。それでどうして、アルチュールの者だと思わせることができるのか。私にはさっぱり、理解ができない」
苛立っているのか、ガルニールは人差し指で机を叩き続けている。
一定のリズムで発せられるコツコツという音は、見た目通りに神経質そうな彼らしい。
緊張で嫌な音を立てている胸が同調しそうだ。かすかな音でさえガルニールの不興を買いそうで、ピケは本能的に息を潜めた。
「そう思わないか? ピケ・ネッケローブ」
ガルニールが使っている客室で、ピケは椅子へ座らされている。
向かいでは、立派な机に頬づえをついたガルニールが、品定めするようにピケを見ていた。