男嫌いな侍女は女装獣人に溺愛されている
七章
1
翌日、チェリーレッドのケープを着たピケは、雪かきに勤しむ同僚たちに見送られながら王都へ出た。
昨夜は珍しく一晩中雪が降らなかったらしく、雪かきが行き届いた街中は歩きやすい。
うっかり転んでお尻を濡らすことがないよう慎重に歩きながら、ピケは大通りを眺めた。
「こうして一人で王都へ来るのは久しぶりだわ」
来るときはいつも、隣にノージーがいた。
王都を一人で歩いたのは、ノージーと待ち合わせをした最初の一回だけ。
一度目のおでかけで心ない言葉を聞いてしまったピケを心配してか、それ以来一度だって待ち合わせをすることはなかった。
今日、ピケが王都へやってきたのは、告白するための勝負服を購入するためである。
ノージーとの大切な思い出になるであろう告白の時に、一番かわいい自分でありたい。
きっと何度だって思い出すから、最高の自分でいたかった。
昨夜は珍しく一晩中雪が降らなかったらしく、雪かきが行き届いた街中は歩きやすい。
うっかり転んでお尻を濡らすことがないよう慎重に歩きながら、ピケは大通りを眺めた。
「こうして一人で王都へ来るのは久しぶりだわ」
来るときはいつも、隣にノージーがいた。
王都を一人で歩いたのは、ノージーと待ち合わせをした最初の一回だけ。
一度目のおでかけで心ない言葉を聞いてしまったピケを心配してか、それ以来一度だって待ち合わせをすることはなかった。
今日、ピケが王都へやってきたのは、告白するための勝負服を購入するためである。
ノージーとの大切な思い出になるであろう告白の時に、一番かわいい自分でありたい。
きっと何度だって思い出すから、最高の自分でいたかった。