男嫌いな侍女は女装獣人に溺愛されている
最初に目に入ったのは、赤い絨毯だ。それはまっすぐに伸びていて、その先に段があり、段の上には椅子がある。わかりやすく金色をしているので、おそらく玉座だろう。
頭に王冠を被ったいかにもな人は、国王だろうか。
中肉中背の、なよなよした男だ。女性だと言われても納得しそうな顔立ちをしている。紫色の目が、妙に印象深い。目しか印象に残らない、とも言うが。
玉座の隣に立っている男は、先ほど聞いた総司令官だろう。
漆黒の髪は短く切りそろえられていて、形の良い耳が見えていた。青い目は鋭く、冷たい印象を受ける。立っているだけで遥か高くから見下ろされているように感じる威圧感は、まさしく魔王のようだった。
(魔王といえばツノよね……もしかして、収納式なのかしら?)
魔王は無言でイネスを見、それからノージーとピケを見て、「おや」と意外なものを見たように眉を上げた。
鋭い目で睨むように見られて、ピケは「ぴゃっ」と飛び上がる。
頭に王冠を被ったいかにもな人は、国王だろうか。
中肉中背の、なよなよした男だ。女性だと言われても納得しそうな顔立ちをしている。紫色の目が、妙に印象深い。目しか印象に残らない、とも言うが。
玉座の隣に立っている男は、先ほど聞いた総司令官だろう。
漆黒の髪は短く切りそろえられていて、形の良い耳が見えていた。青い目は鋭く、冷たい印象を受ける。立っているだけで遥か高くから見下ろされているように感じる威圧感は、まさしく魔王のようだった。
(魔王といえばツノよね……もしかして、収納式なのかしら?)
魔王は無言でイネスを見、それからノージーとピケを見て、「おや」と意外なものを見たように眉を上げた。
鋭い目で睨むように見られて、ピケは「ぴゃっ」と飛び上がる。