男嫌いな侍女は女装獣人に溺愛されている
 一度は食用猫としての死を覚悟したノージーだったが、自宅へ帰った女の子はウサギの皮は剥いでも猫の皮は剥がなかった。
 女の子──ピケ・ネッケローブの父は粉挽きの仕事をなりわいとしていて、どうやらノージーのことはねずみの駆除をさせるため連れ帰ったらしい。

 ピケの献身的な看護の甲斐もあってなんとか生きながらえたノージーは、貧しいのに上等なお肉を分け与え続けてくれた彼女と彼女の父に感謝した。
 そして、九つ目(さいご)の猫生はこの二人へ捧げようと、決めたのだった。
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