男嫌いな侍女は女装獣人に溺愛されている
三章
1
「ほらほら。起きてください、ピケ。今日は出かけないと損をするような天気ですよ」
侍女用の広い、階段下に寝ていたピケにはとんでもなく広すぎる部屋の隅っこに置かれた、ベッドの上。
ピケが三人くらい並んで眠れそうな広いベッドの壁際で、彼女はミイラみたいに毛布を巻きつけて眠っていた。
ずっとそうしてきたからなのだろう。小さな体を守るように丸めている姿に、ノージーは胸がギュッと詰まるような思いがした。
苦しそうに息を吐いて、気を取り直すようにことさら明るい声でピケの名前を呼ぶ。
すると、ピケの眉が煩わしげに顰められた。
かわいくない。
面白くなくてふてくされたくなるような気分になったノージーは、容赦なくピケから毛布を剥いだ。
ぐるぐる、ごろり。
巻き取られた毛布を薄目を開けて見ながら、ピケが「どんな天気だよ」と恨めしそうに呟く。
ちょっと掠れた声は甘えているようにも聞こえて、かわいい。
ノージーはちょっとだけ、気分が良くなった。
侍女用の広い、階段下に寝ていたピケにはとんでもなく広すぎる部屋の隅っこに置かれた、ベッドの上。
ピケが三人くらい並んで眠れそうな広いベッドの壁際で、彼女はミイラみたいに毛布を巻きつけて眠っていた。
ずっとそうしてきたからなのだろう。小さな体を守るように丸めている姿に、ノージーは胸がギュッと詰まるような思いがした。
苦しそうに息を吐いて、気を取り直すようにことさら明るい声でピケの名前を呼ぶ。
すると、ピケの眉が煩わしげに顰められた。
かわいくない。
面白くなくてふてくされたくなるような気分になったノージーは、容赦なくピケから毛布を剥いだ。
ぐるぐる、ごろり。
巻き取られた毛布を薄目を開けて見ながら、ピケが「どんな天気だよ」と恨めしそうに呟く。
ちょっと掠れた声は甘えているようにも聞こえて、かわいい。
ノージーはちょっとだけ、気分が良くなった。