男嫌いな侍女は女装獣人に溺愛されている
初デートに花を贈るのはオレーシャの伝統だが、おそらくノージーは、ピケの小さな願いを心に留め置いてくれていたに違いない。初めてのデートの時に花束をもらいたいという、幼い日のなんてことはない呟きを、彼はずっと覚えていてくれたのだ。
ピケの胸に、灯りがともる。
小さな灯りは、胸の中を優しい炎であたためてくれるようだ。
じわりとにじむようなあたたかさは氷を溶かすほどではないけれど、ピケの心は少しだけ、弾むように揺れた。
「さて、なんのことやら。僕がしたかっただけですよ」
素知らぬ顔をしてそっぽを向くノージーの首がうっすらと赤らんでいるのを、ピケは見逃さなかった。
普段しれっとしている人が恥ずかしそうにしている姿というのは、いけないものを見ているよう。
再び恥ずかしさが込み上げてきて、ピケの顔が一層赤らんだ。
ピケの胸に、灯りがともる。
小さな灯りは、胸の中を優しい炎であたためてくれるようだ。
じわりとにじむようなあたたかさは氷を溶かすほどではないけれど、ピケの心は少しだけ、弾むように揺れた。
「さて、なんのことやら。僕がしたかっただけですよ」
素知らぬ顔をしてそっぽを向くノージーの首がうっすらと赤らんでいるのを、ピケは見逃さなかった。
普段しれっとしている人が恥ずかしそうにしている姿というのは、いけないものを見ているよう。
再び恥ずかしさが込み上げてきて、ピケの顔が一層赤らんだ。