DEAR again〜アイスクリスタルのやくそく

　ある大きな街に、優しい男の子が住んでいました。クリスマスが近づいた街は、色とりどりのイルミネーションが街のいたるところに飾られて、それはもう夢の国のようで、とてもきれいです。

　そんなある日、男の子は合唱団の練習に行くために、街にある教会に向かって歩いていました。でも、お母さんに買い物を頼まれたりして、家を出るのが遅くなったので、練習に遅刻してしまいそうです。

「急がないと」

　近道をするために、広場を歩いていた男の子は、地面にしゃがみ込んで何かを探している女の子に気がつきました。よく見ると、その女の子はちょっと変わっていました。

　髪は銀色で、着ている服は真っ白、こっちを振り向いて男の子を見つめた瞳は、よく晴れた日の空のようなブルー。その女の子は、男の子に何か聞きたいようです。でも男の子は急いでいたので、

「ごめんね。今は急いているから。合唱団の練習が終わったら聞いてあげるよ」

　と言って、女の子にニッコリ笑って、教会のほうへ走って行きました。

　教会では、クリスマスのミサに歌う賛美歌の練習で、子供たちがたくさん集まっています。