DEAR again〜アイスクリスタルのやくそく
「持ってみる?」
「えっ!」
「手を出して佐川さん」

 そうっと乗せられた青い光には重さというものがなかった。ガラスのように透明で、その中心から青い閃光が煌めく。冷たくて温かい。堅いような柔らかいような不思議な感触だった。

 どれぐらい眺めていただろう。先生の言葉で我に返った。

「あなたにあげるわ」
「えっ。このアイスクリスタルをですか?」
「もうすぐお迎えがくる。私がいなくなったら、その青い石をあなたにあげる」
「だ、だってこれは、尾崎さんから渡された貴重なものじゃないですか」
「いいの。彼がその石に心を託したように、あなたに私の心を託したいから」
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