DEAR again〜アイスクリスタルのやくそく
 先生が亡くなってしばらく経った頃、わたしはふと思い立って童話を書き始めた。初めは趣味の域を出なかったのだが、やがて認められ、出版社を退職しプロの童話作家になった。

 そして仕事を通じて知りあった男性と恋に落ちた。数ヶ月の交際を経て、この半年後に結婚式を挙げる予定だ。

 あれから時々、誰も見ていないのを確かめてから、大切にしまってあるアイスクリスタルを取り出し、手のひらに乗せて眺める。

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