海に恋している少女の物語

ピピピーッ…

うっすらと目を開けて携帯の目覚ましを切った。

大きなあくびをしながら起き上がり、私の朝が始まる。

私の名前は『水森蘭子』。17歳。

本来なら高校2年生になる歳であるが、私は高校には行かず中学を卒業してからずっとバイトをしながら生活をしている。

現在、一人暮らし。いや、本当は兄もいるが、ほとんど帰ってこないからほとんど一人暮らし状態である。

布団を畳み端っこに寄せて、洗面所へ向かった。

鏡に映る自分の顔を見る。17歳にしては大人っぽい綺麗な顔をしている。（と周りから言われる。）

顔と歯を洗い、次はキッチンへ向かう。

冷蔵庫からチューブのゼリーを取り出し、それを一気に胃に流し込んだ。私の朝ごはんはいつもこれ。元々朝は少食だからこれくらいが丁度いい。

次に、バイトの服に着替えるため寝室へ向かった。

ちなみに、私のバイトは喫茶店。時給の良いところを探していたら、ちょうど良い距離の所におしゃれな喫茶店を見つけた。家族事情を説明したら、店長は中卒の私でも快く受け入れてくれた。