【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜



 
 「……棗さん、何かありましたか?」

 「え?」

 聖良は食器洗うのをやめて、俺が座っているソファーの方に来た。そして俺の隣に座った。

 「なんか、元気がないような気がしたので……」

 聖良は遠慮がちにそう言った。

 「……いや、本当に何でもない。ちょっと疲れただけだ」

 だけど聖良に心配かけたくなくて、ついウソをついた。……ごめん、聖良。

 「……そうですか?あまり、ムリしないでくださいね?」

 「ありがとう。聖良」

 「はい」

 聖良のこの優しい笑顔が、俺は好きだ。聖良と一緒にいるだけで、ホッとするし、安心感がある。こんな気持ちになるのはきっと、聖良だからなんだと思う。




 
 

 「……聖良」

 「んんっ……棗さっ……」
 
 その日の夜、俺は聖良に触れたくて。聖良へのどうしようもない気持ちが抑えらなくて。

 「あぁっ、んっ……んっ……」

 聖良のことをベッドの中で激しく抱いた。そして何度も心の中で、聖良に愛していると呟いた。



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