【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
そんなある日のことだった。わたしたち夫婦は社長に呼ばれて、長谷川社長が主催するパーティーに出席することになった。
棗さんの妻ではあるけど、わたしがパーティーに出席するなんて。正直おこがましいかとも思う。だけど棗さんも、出席してほしいと言ってくれたので。そのパーティーに出席することにした。
パーティーには約50人が出席する。そこには有名な作家さんや建築家の方など、数々の著名人が出席するらしい。そんなパーティーに、わたしが出てもいいものなのか、そんなことも思ってしまう。
「……聖良?どうした?」
「え?あ、いえ……」
緊張と不安で頭と胸がいっぱいで、なんとも言えない気持ちになった。
「……そんなに緊張しなくても大丈夫だ。俺がついてる」
「……は、はい」
棗さんは不安なわたしの手を握ってくれる棗さん。それだけで少し、安心するような気がした。
「……さ、行くぞ聖良」
「はい……」
だけどやっぱり、緊張してしまう。