【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
【鷺ノ宮夫婦の本当の気持ち】
「では棗さん、社長、わたしはこれで失礼しますね?署に戻らないといけないので」
「ああ。気を付けてな?また食事でもしよう」
「はい。では失礼致します。……あ、棗さんと聖良さんも。ご結婚、おめでとうございます。末永くお幸せに」
「ありがとうございます」
「あ、ありがとうございます……」
楓さんという方はわたしたちに優しく微笑みかけると、そのまま会場から出ていった。
「……棗、さっきのこと聞いたぞ。遠山さんの所のご令嬢が、聖良さんの所に来たそうだな?」
「はい。ですがすぐに退出させました」
「……そうか。とにかく、これからも気を付けなさい。聖良さんに何かあったら、大変だ」
「はい。分かっています」
「……また何かあったら大変だ。お前たちは時を見て帰るといい」
「え?いや、しかし……」
「大丈夫だよ。わたしから説明しておくから」
「……はい。では、そのようにさせていただきます」