【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか？〜

　そこで言葉を詰まらせてしまう。棗さんは、背中をトントンと叩きながら、ムリして話さなくてもいい。そう言ってくれた。
　　
　だけどわたしは、ちゃんと自分の口から言いたかった。自分の気持ちを、ちゃんと伝えたい。

　「……だけどわたしは、これからだってあなたの妻でいたいです。……あなたのそばで、ずっと幸せを感じていたいです。あなたが幸せだと思えるように。一生懸命妻として、あなたを支えていきたいです」

　わたしは棗さんのことが好き。大好きなの。それは夫として、パートナーとしての愛情で。これからだって、彼のことを愛していきたい……。

　死ぬまでずっと、わたしは棗さん、あなたの妻として生きていきたい……。

　「……聖良、ありがとう。お前の気持ち、とても嬉しいよ」

　「大好きです、棗さん……。愛してます……。これからもずっと、あなたを愛したいです」

　「……俺もだよ、聖良。愛している」

　「……はい。わたしも、あなたのことを愛しています」