【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「……お前がこんなに立派に育ってくれて、ほんとに父さんは嬉しいよ。聖良さんという嫁さんまでもらうことができて、本当に幸せ者だな」
「ああ……。親父が聖良との結婚を認めてくれたから、俺は今こんなにも幸せなんだと思えるんだ。……ありがとう、親父」
「……そっか。お前が幸せなら、良かったよ」
「俺はいつか、親父を超えてみせる。……親父が残してくれたこの会社を、今よりももっといいものにしてみせる。いつか親父が、鷺ノ宮グループを誇りに思えるように」
「……もう十分、誇りだがな」
「……それにまだ、親父には孫の顔を見せてない。かわいい孫の顔を、見たいだろ?」
「ははは……。そうだな。お前たちの孫の顔、見たいな。どんな子が生まれてくるのか、今からが楽しみだな」
「……親父。俺はいつか、親父みたいにはなりたくないと言った。……だけど仕事の面では、親父をとても尊敬しているし、親父は俺の誇りだ。……いつまでも俺の、憧れだ」