【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
聖良にもこれから、色々と負担をかけてしまうと思う。だけどそばにいていてくれたら、俺はそれだけで頑張れると思うんだ。
「……さ、俺の話は終わりだ。夕飯にしよう」
「はい。準備しますね」
「ああ。俺は着替えてくる」
「はい」
着替えを終えてリビングへ戻り、夕飯を聖良と一緒に食べる。……毎日こうやって家に帰って聖良と夕飯を一緒に食べられているのは、本当にありがたいことだと思う。
だけどこうやって毎日一緒に夕飯を食べられるだけで、俺は一日頑張って良かったと思っている。
「美味いな、これ」
「本当ですか?良かった。これ、今日初めて作ったんです」
「そうなのか?すごく美味い」
「喜んでもらえて、良かったです。作ったかいがあります」
聖良が作る料理を食べると、元気が出る。……これから鷺ノ宮グループの社長として、俺は鷺ノ宮グループが生まれ変わる瞬間を作っていくんだな。
親父や聖良のために頑張らないと……。