【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜




 「……では、先生。親父のことを、どうぞよろしくお願い致します」

 「はい。こちらでも、出来る限りのことはやらせていただきます。……何かありましたら、またいつでもご連絡ください」
 
 「はい。ありがとうございます。……では、失礼致します」

 わたしたちは担当の先生に挨拶を済ませ、お父様のいる病室へと足を運んだ。棗さんはお手洗いに行くと言っていたので、わたしは扉をノックして、先に中へと入った。

 「……お父様、失礼致します」

 「おお、聖良さんか。来てくれたのかい?」

 「はい。……お父様、先程無事に、就任会見の方が終了しました」

 「TVでの中継を見ていたよ。ご苦労だったね」

 「いえ。……棗さんも、緊張していたようですが、なんとか無事に終われて良かったです」

 「棗のヤツ、ちゃんとやれていたか?」

 「はい。いつも通りの棗さんでしたよ。……社長として、これからきっと立派にやってくれると思いますよ?」

 「そうか。棗のこと、よろしく頼むよ」


 
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