【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「……はい。しっかりサポートさせていただきます。お父様は、お体を治すことだけを考えてくださいね?わたしたちにもし出来ることがあれば、何でも仰ってください。力になります」
「……ありがとう、聖良さん。その気持ちだけで嬉しいよ」
お父様は微笑みながらそう言うと、わたしの手を握って一言こう言った。「聖良さんが、鷺ノ宮家の嫁に来てくれて良かった」と。
その言葉をもらうだけで、わたしは嬉しくて。鷺ノ宮家の嫁としてもっと頑張らないと、そんなふうにも思った。棗さんの妻になったことを後悔しなくて良かったと思えるようになりたいとも思った。
「……お父様、しっかり休んでください。棗さんのことは、わたしに任せてください。しっかりとサポート致します」
「あんなバカ息子だが、自慢の息子だ。……よろしく頼むよ」
「はい」
……お父様が今よりももっと安心できるように、わたしはただひたすら、棗さんのそばにいようと思った。