【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
だからこそ、わたしは棗さんのそばで一番に彼を支えていきたい。どんな形であれ、彼のそばにいて夫のサポートするのがわたしの仕事なら、棗さんを仕事面でもサポートするのが妻としての役目だと思った。
それならいっそ、彼の秘書になってはどうか?そう考えていた。
「……え?な、何を言ってるんだ?」
「わたしはあなたの妻です。妻は夫を支えるのが仕事です。それは家庭でだけでなく、仕事面でも同じことではないかと思いました。だったらわたしが、棗さんのそばで秘書として働けばいいのでは?そう思いました。そうすればどんな時もわたしたち夫婦は、協力し合っていけます。……もしお互いに辛い時は、その辛さを半分して分け合える。そして嬉しい時はその嬉しさを分け合って、共有することが出来ます」
棗さんを愛しているからこそ、わたしも棗さんの役に立ちたいのだ。小さなことでも、ふたりで分け合って生きていきたいんだ。
「……聖良、お前本気か?」
「はい。本気です」