【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「おはよう、聖良。今日からよろしく頼む」
「はい。仕事に出かける前に、まずは朝ご飯を食べましょう」
「ああ」
朝ご飯をふたりで食べながら、わたしは棗さんの予定を確認していた。社長になってまだ数日しか経っていないのに、こんなにも予定がびっちりだ。……た、大変すぎる。棗さんがこんなにも忙しくなって大丈夫かは分からないけど、こんなにびっちりだと体に負担が掛かりそうで心配になる。
そして今日は、この後11時頃からお父様の手術がある。……わたしたちは、お父様の手術が成功すると信じている。
「聖良、今日の予定は?」
「え?あ、はい。今日はまず、午前中はお父様の手術があります」
「そうだったな。……親父の手術、今日だったな」
「はい。……手術は11時頃から始まる予定です」
「そうか。大丈夫だ。俺は手術が成功すると信じている」
「わたしも同じです。……お父様が早く治ることを祈るばかりです」
「……そうだな」