【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「んんっ……。っ、棗さん……」
「聖良……」
大きなベッドの中で、今日も棗さんに抱かれる。枕元の灯りを暗くして、お互いの体温を感じながら。甘く激しく、そしてとろけながらお互いの名前を呼び合っていく。
愛している。日に日に増していく、その想いが募って仕方なかった。……お互いにこんなにも愛しているのに、わたしはまだ愛され足りない。そんなことを思ってもしまう時がある。
わたしって、欲張りなんだな……。最近そう思うようにもなった。いつからこんなにも欲張りな人間になってしまったんだろう、わたしは……。
「はぁっ……聖良、可愛いよ……」
「可愛くなんて……ないですっ……。あっ、んんっ……」
「聖良……。愛してる。愛してるんだ……」
「はいっ……。わたしも、棗さんのこと、愛おしくてたまりません……」
深く口づけを重ねられて、汗ばんだ手を握り返すと、お互いの体温が上昇して熱を放っていく。お互いの理性が、狂わされていく。