【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「はぁっ……もう、ダメッ……」
お互いの理性が限界を迎えていくまで、わたしは何度も棗さんに抱かれた。愛していると言われて、幸せを感じていく。その言葉や体温、仕草、吐息まで。全てが愛おしくて……。
「……大丈夫か?」
棗さんは優しく問いかけながら、わたしの頭を撫でてくれた。
「はい。……大丈夫です。ありがとうございます」
「ムリをさせてしまったなら、すまない」
「いいえ。大丈夫です。……わたしはいつも、幸せです」
棗さんと結婚して、わたしは正真正銘幸せなんだと言える。今までの気持ちなんて忘れてしまうくらい、わたしは棗さんのことを愛しているんだ。
これから先の未来だって、夫婦として歩んでいきたい。わたしは鷺ノ宮棗の妻。この明るい未来のある鷺ノ宮グループを背負う社長の妻として。
わたしは彼のそばにいたい。ずっとずっと、そばにいたい。……もし誰かに何を言われても、わたしは絶対に彼のそばから離れることはしない。