【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜




 「はぁっ……もう、ダメッ……」

 お互いの理性が限界を迎えていくまで、わたしは何度も棗さんに抱かれた。愛していると言われて、幸せを感じていく。その言葉や体温、仕草、吐息まで。全てが愛おしくて……。

 「……大丈夫か?」
 
 棗さんは優しく問いかけながら、わたしの頭を撫でてくれた。
 
 「はい。……大丈夫です。ありがとうございます」

 「ムリをさせてしまったなら、すまない」

 「いいえ。大丈夫です。……わたしはいつも、幸せです」

 棗さんと結婚して、わたしは正真正銘幸せなんだと言える。今までの気持ちなんて忘れてしまうくらい、わたしは棗さんのことを愛しているんだ。

 これから先の未来だって、夫婦として歩んでいきたい。わたしは鷺ノ宮棗の妻。この明るい未来のある鷺ノ宮グループを背負う社長の妻として。
 
 わたしは彼のそばにいたい。ずっとずっと、そばにいたい。……もし誰かに何を言われても、わたしは絶対に彼のそばから離れることはしない。



< 179 / 264 >

この作品をシェア

pagetop