【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
そんなある日のことだった。朝ご飯の支度をしていた時に、わたしにある異変が起きていた。
炊けたばかりのご飯を、茶碗に盛ろうとした時……。なんだか急に気持ち悪くなってしまった。
「……うぅっ……気持ち悪っ……」
なんでこんなにも気持ち悪いんだろう……。急な吐き気に襲われて、そこから少し動けなくなってしまった……。
「……聖良?大丈夫か!?」
心配した棗さんが駆け寄ってきてくれた。そして背中を擦ってくれた。
「す、すみません……。少し気持ち悪くなってしまって……。もう大丈夫ですから……」
「無理しなくていい。……座って休んでいろ」
「すみません……。ありがとうございます」
「聖良、体調が悪いなら無理してやらなくていいからな?」
「はい……。ありがとうございます」
「今日は仕事を休んでゆっくり休んでいろ。無理して倒れられたら、俺が困るからな」
棗さんはそう言ってわたしの頭を撫でてくれた。