【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
わたしも愛用している化粧品ブランドだ。まさかそのブランドを持つ社長さんとお会いできるなんて……。夢見たい。
「妻が、夕来社長が手がけている化粧品を愛用しているんです」
「ほお?それは嬉しいね?ありがとう、聖良さん」
「い、いえ!滅相もございません……」
夕来社長、いい人そうだな……。さすが女性の化粧品ブランドを立ち上げた人だ
「早速だが、打ち合わせしてもいいかい?棗くん」
「はい」
「……あの、わたしはホテルにチェックインしておきますね?」
「ああ。よろしく頼むよ」
「……はい」
わたしはキャリーバッグを持ってタクシーを呼び、ホテルにチェックインした。そのまま荷物をコンシェルジュに運んでもらい、一旦一休もうとバルコニーに出た。
「……うわ、キレイ」
バルコニーからの眺めは最高だった。この景色はきっと、棗さんが連れてきてくれたから見れたものなんだと思う。